肝胆膵の病気
肝胆膵の病気

肝臓・胆嚢・膵臓の異常を、早期発見・適切な診断へ。
血液検査の数値だけで判断せず、症状や画像所見を総合的に評価。その先の診断・治療につなげます。
肝臓・胆嚢・膵臓は、消化や代謝など、私たちの健康を維持するために重要な働きを担う臓器です。
これらの病気には、初期には自覚症状がほとんどなく、健康診断や腹部超音波検査(腹部エコー)で初めて異常が発見されるものがあります。
また、同じような腹痛や胃もたれでも、原因が胃や腸ではなく、胆嚢や膵臓にある場合があります。
当院では、内科・消化器内科の専門的な知識と経験を生かし、症状、血液検査、腹部エコーなどを組み合わせて肝臓・胆嚢・膵臓の病気を評価しています。
特に膵臓は、腹部エコーだけでは十分に観察できない場合があるため、必要に応じて専門医療機関と連携し、適切な精密検査につなげています。
「健康診断で肝機能の異常を指摘された」「胆嚢ポリープがあると言われた」「膵臓に嚢胞が見つかった」
このような方も、お気軽にご相談ください。
肝臓の病気
脂肪肝や慢性肝炎は、初期にはほとんど症状がありません。
進行すると、倦怠感、食欲低下、黄疸、むくみ、腹水などが現れることがあります。
また、肝機能の数値が正常でも、肝臓の線維化が進んでいる場合があります。
胆嚢・胆管の病気
胆石症や胆嚢炎では、右上腹部からみぞおちにかけての痛み、背中や右肩への放散痛、吐き気などが生じることがあります。
胆管に結石が詰まり、感染を伴うと、発熱や黄疸が現れる場合があります。
急性胆管炎は重症化することがあるため、早急な対応が必要です。
膵臓の病気
膵炎では、みぞおちから背中にかけての強い痛みが現れることがあります。
一方、膵嚢胞や早期の膵がんでは、自覚症状がほとんどない場合もあります。
原因不明の体重減少や糖尿病の新規発症・急な悪化などが、膵臓の病気を調べるきっかけになることもあります。
※強い腹痛、発熱を伴う黄疸、意識の変化などがある場合は、急性胆管炎や急性膵炎などの可能性があるため、速やかに救急医療機関を受診してください。
これまで「NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)」と呼ばれていた病態のうち、肥満や糖尿病などの代謝異常を背景とするものは、現在「MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」と呼ばれています。
また、以前の「NASH(非アルコール性脂肪肝炎)」に対応する病態は、「MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)」と呼ばれるようになりました。
MASLD・MASHは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などと深く関係しています。
MASHでは、肝臓の炎症や線維化が進行し、肝硬変や肝がんにつながる場合があります。
近年は、肝臓に脂肪が蓄積しているかどうかだけでなく、肝臓の線維化がどの程度進んでいるかを評価することが重要になっています。
2026年には、日本でも一定の条件を満たすMASH患者様に対する新しい薬物療法が承認されました。
ただし、すべての脂肪肝患者様が薬物治療の対象となるわけではありません。
当院では、血液検査や腹部エコーなどから肝臓の状態を評価し、食事・運動などの生活習慣改善を中心に、必要に応じて専門医療機関と連携して治療方針を検討します。
B型肝炎は、抗ウイルス薬によってウイルスの増殖を長期間抑制できるようになりました。
C型肝炎は、現在では飲み薬によって多くの患者様でウイルス排除を目指すことが可能です。
ただし、B型肝炎はウイルスの完全排除が難しく、C型肝炎も治癒後の肝がんリスクがゼロになるわけではありません。
感染状態や肝臓の線維化の程度に応じて、治療と定期的な経過観察を行うことが重要です。
飲酒によって肝臓に脂肪が蓄積したり、炎症や線維化が進んだりする病気です。
飲酒による影響は、飲酒量だけでなく、体質、肥満、糖尿病などによっても異なります。
治療では節酒・断酒などの生活習慣改善が重要です。
免疫の異常によって肝臓や胆管が障害される病気です。
健康診断で肝機能異常を指摘され、詳しく調べた結果、これらの病気が見つかることもあります。
診断には、肝機能検査に加えて自己抗体などの血液検査や画像検査を組み合わせます。
慢性的な肝炎や脂肪肝炎などによって肝臓の線維化が進むと、肝硬変に至ることがあります。
また、B型・C型肝炎、MASLD・MASH、アルコール関連肝疾患などを背景に肝がんが発生する場合があります。
肝がんは初期には症状が乏しいため、リスクが高い方では定期的な画像検査などが重要です。
胆石症は、胆嚢や胆管の中に結石ができる病気です。
胆嚢内に石があっても、症状がない場合は経過観察となることがあります。
一方、痛みを繰り返す場合や胆嚢炎などの合併症がある場合には、手術などの治療が必要になることがあります。
当院では、腹部エコーで胆石の有無や胆嚢の状態を確認し、治療の必要性を検討します。
胆嚢ポリープは、胆嚢の内側にできる隆起性の病変です。
多くはコレステロールポリープなどの良性病変ですが、一部には腫瘍性の病変が含まれます。
評価では、大きさ、形状、増大傾向などが重要です。
特に10mm以上のポリープや、増大傾向があるもの、形状が気になるものなどは、精密検査が必要になる場合があります。
ただし、10mm以上であれば必ずがんというわけではありません。
当院では、腹部エコーで胆嚢ポリープの状態を観察し、必要に応じて専門医療機関での精密検査をご案内します。
胆嚢炎は、胆石などによって胆嚢の出口が閉塞し、炎症が起こる病気です。
右上腹部の痛み、発熱、吐き気などが主な症状です。
急性胆嚢炎では、症状や重症度に応じて入院治療や手術が必要になることがあります。
当院では、急性胆嚢炎が疑われる場合、速やかに専門医療機関での診療につなげます。
総胆管結石は、胆管の中に石ができたり、胆嚢から石が移動したりする病気です。
胆汁の流れが妨げられることで、腹痛や黄疸が現れる場合があります。
細菌感染を伴うと急性胆管炎となり、発熱、腹痛、黄疸などを生じます。
重症化すると敗血症や意識障害などを引き起こすことがあります。
急性胆管炎は、緊急の治療が必要になる場合がある病気です。
治療では抗菌薬に加え、必要に応じてERCPなどによる胆管ドレナージや結石除去が行われます。
胆嚢や胆管に発生する悪性腫瘍です。
早期には症状が乏しいことがありますが、胆管が閉塞すると黄疸が現れる場合があります。
腹部エコーや血液検査で異常が疑われた場合には、CT・MRI・MRCPなどの精密検査を検討します。
急性膵炎は、膵臓に急激な炎症が生じる病気です。
主な原因には飲酒や胆石などがあります。
みぞおちから背中にかけての強い痛みや、吐き気・嘔吐が現れることがあります。
重症例では全身の臓器に影響することもあり、入院による治療が必要です。
急性膵炎が疑われる場合には、速やかに専門医療機関での診療につなげます。
慢性膵炎は、膵臓の炎症が持続または反復し、膵臓の組織が徐々に障害される病気です。
長期間の多量飲酒などが原因となることがありますが、飲酒以外の原因もあります。
進行すると、消化酵素の分泌低下による消化不良や体重減少、インスリン分泌の低下による糖尿病などが現れることがあります。
近年、腹部エコーやCT・MRIなどの普及により、症状がない状態で膵嚢胞が発見される機会が増えています。
膵嚢胞にはさまざまな種類があり、その代表的なものの一つがIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)です。
IPMNは、膵管内に粘液を産生する腫瘍ができる病気で、多くはゆっくりとした経過をたどります。
しかし、一部では悪性化する可能性があり、IPMNとは別の場所に膵がんが発生する場合もあります。
そのため、嚢胞の大きさだけでなく、内部の結節、主膵管の拡張、経時的な変化などを確認することが重要です。
すべての膵嚢胞に手術が必要なわけではありません。
当院では、症状や検査結果から必要な評価を行い、MRI・MRCPや超音波内視鏡(EUS)などの精密検査が必要な場合には、専門医療機関をご紹介します。
膵がんは、初期には自覚症状が乏しく、早期発見が難しい病気として知られています。
進行すると、腹痛、背部痛、体重減少、黄疸などが現れる場合があります。
また、糖尿病の新規発症や急激な悪化が、膵がんの診断につながることもあります。
特に、膵がんの家族歴、慢性膵炎、IPMNなどの膵嚢胞性病変がある方では、個別のリスク評価が重要です。
膵臓は身体の奥に位置するため、腹部エコーでは胃や腸のガス、体格などの影響により、臓器全体を十分に観察できない場合があります。
また、血液検査や腫瘍マーカーだけで早期の膵がんを確実に発見することはできません。
当院では、症状、血液検査、腹部エコー、既往歴、家族歴などを総合的に評価し、必要に応じてCT・MRI・MRCP・超音波内視鏡などの精密検査につなげます。
自己免疫性膵炎は、免疫の異常が関係する膵臓の炎症性疾患です。
膵臓が腫れたり、膵管が狭くなったりすることがあり、膵がんとの鑑別が必要になる場合があります。
特に1型自己免疫性膵炎では、IgG4関連疾患との関連が知られています。
診断には血液検査や画像検査などを組み合わせ、必要に応じて専門医療機関で精密検査を行います。
血液検査
AST・ALT・γ-GTP・ALP・ビリルビンなどから、肝臓や胆道の状態を評価します。
また、必要に応じて肝炎ウイルス検査、膵酵素、自己抗体などの検査を行います。
検査結果は、数値だけでなく、症状や画像所見とあわせて判断します。
腹部超音波検査(腹部エコー)
腹部エコーは、放射線被ばくを伴わず、身体への負担が比較的少ない検査です。
肝臓の脂肪沈着や腫瘤、胆石、胆嚢ポリープ、胆管拡張などの評価に役立ちます。
膵臓についても一部の異常を確認できる場合がありますが、胃や腸のガス、体格などの影響によって、全体を十分に観察できないことがあります。
腹部エコーで異常が見つからない場合でも、膵臓の病気が完全に否定されるわけではありません。
脂肪肝などがある方では、肝臓の線維化が進んでいないかを確認することが重要です。
当院では、血液検査や血小板数を用いたFIB-4 indexなども参考にしながら評価します。
必要に応じて肝硬度測定などの精密検査が可能な医療機関をご紹介します。
膵臓は胃や腸の奥に位置しており、消化管のガスや体格などの影響によって、腹部エコーでは臓器全体を十分に観察できない場合があります。
特に、小さな膵臓の病変や早期の膵がんなどは、腹部エコーや血液検査だけでは発見が難しいことがあります。
当院では、症状、血液検査、腹部エコー、既往歴、家族歴などから膵臓疾患の可能性を総合的に評価します。
膵嚢胞(IPMN)、膵管拡張、膵腫瘍などが疑われる場合や、膵臓の十分な観察が難しい場合には、必要に応じてCT、MRI・MRCP、超音波内視鏡(EUS)などの精密検査が可能な医療機関をご紹介します。
膵臓疾患については、当院だけですべての検査を完結するのではなく、専門医療機関と連携して適切な診断につなげることを大切にしています。
当院では、内科・消化器内科の専門的な知識と経験を生かし、肝臓・胆嚢・膵臓の病気について診察・初期評価を行っています。
肝臓や胆嚢の病気では、血液検査や腹部エコーなどを用いて評価し、その結果に応じた治療や経過観察を行います。
一方、膵臓の病気では、腹部エコーだけでは十分な評価が難しい場合があります。
そのため、膵臓疾患が疑われる患者様については、必要な精密検査を適切な時期に受けていただけるよう、専門医療機関と連携しています。
当院では、院長が診察、医師が実施する検査、結果の総合評価、治療方針の決定まで一貫して担当しています。
「検査を当院だけで完結させること」ではなく、「必要な診断と治療へ適切につなげること」。
これも当院が大切にしている診療方針です。
脂肪肝は症状がないことが多く、肝機能が正常でも線維化が進んでいる場合があります。肝臓の状態や生活習慣病の有無などを評価することが大切です。
すべての胆嚢ポリープに手術が必要なわけではありません。大きさ、形状、増大傾向、症状などを踏まえて判断します。
無症状の胆嚢結石は経過観察となることがあります。ただし、胆管内の結石などは対応が異なるため、結石の場所や病状に応じた判断が重要です。
膵嚢胞の多くは直ちに悪性というわけではありません。ただし、種類や形状によっては精密検査や定期的な経過観察が必要です。
腹部エコーでは、膵臓の一部が十分に観察できない場合があります。そのため、膵がんを完全に否定することはできません。症状や家族歴、血液検査などから必要と判断される場合には、専門医療機関での追加検査を検討します。
肝臓・胆嚢・膵臓の病気には、症状が出る前に発見されるものも少なくありません。
特に、脂肪肝、胆嚢ポリープ、膵嚢胞などは、健康診断や腹部エコーなどで偶然見つかることもあります。
大切なのは、異常が見つかったときに、その意味を正しく理解し、必要な検査や治療につなげることです。
「検査で見つける。その先の診断につなげる。」
当院では、患者様一人ひとりの状態に応じた診療を大切にしています。
健診で異常を指摘された方や、腹部の症状が気になる方は、お気軽にご相談ください。
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